QC検定(品質管理検定)の受検をお考えの皆さま必見です。
・毎日の仕事が忙しすぎて勉強時間を確保できない
・教材は何を選べば良いのか分からない
・資格の勉強はいつも最初だけで三日坊主・・
このような悩みをお持ちではありませんか。
平日の帰宅後に勉強・・、続けられない気持ち分かります。
「今日は残業で遅くまで頑張ったし、まぁいいか」
「自分は追い詰められてから本領を発揮するタイプだ」
「家族との時間や人付き合いなど、色々あるから仕方ない」
私自身、このような言い訳ですぐに「今日は勉強できなくても仕方ない」と自分に言い聞かせながら先延ばしにしてきました。
誰かに納得してもらう必要もないのに、勉強しないことの正当化を繰り返す日々。
当たり前ですが、知識が勝手に増えるわけもなく、気づいたら受検申込が近づいて次の回に延期する始末です。
そんな中、当ブログを開設して品質管理の基礎知識を皆さんに紹介するうちに、毎日コツコツと作業を継続する生活が定着してきました。
そこで、しばらくの間ブログの更新頻度を下げ、QC検定の勉強を本格的に始めることにしたのです。
勉強のしかたは、人それぞれの事情(時間・お金・性格)によって適したタイプがあります。
中でも、どんな教材を使うか、入り口の選び方によって数か月後の運命が決まると言っても過言ではありません。
この記事では、さまざまなタイプ別の教材の選び方について、その後、QC1級に無事に合格できた私の経験談をもとに紹介しています。
少々長い記事ですが、勉強の計画の立て方、学習方法(教材)の選択肢、タイプ別おすすめ教材まで、この記事ひとつで分かるように徹底解説しましたので、ぜひ参考になればうれしいです。
選び方のポイントまとめ
最初に結論を記載します。
「到達したい知識レベル」と「教材コスト」を軸にマッピングすると次のように表されます。
右上に行くほど学習効率が良い(=勉強期間が短い)、左下ほど効率が悪い(=期間が長い)状態を意味します。
また、ひとつの目安として、それぞれの教材に向いているタイプをまとめてみました。
あなたはどのタイプにもっとも当てはまるでしょうか?
それでは、順番に詳しく解説していきます。
QC検定とは?
QC検定(品質管理検定)は、その名の通り、品質管理に関する知識レベルを図る試験です。
品質保証体系やQC的な考え方など、仕組みや概念的な知識の他、QC7つ道具や統計学に関する知識も対象であり、基礎知識と実践に役立つツールの使い方がバランスよく含まれています。
資格取得を推奨する企業も増えており、受検者数は年々増加しています。
日本規格協会グループの発表するデータによると、2019年の受検者数は約62,000人とのことで、2010年頃と比べても2倍以上に増えており、企業の認知度も年々高まっている状況です。
資格を取得すればキャリアアップや転職にも有効で、きっと今後のキャリアプランに役に立つことと思います。
自分に合った学習方法の選び方
STEP1:まずは己を知る
いきなり教材選びに入る前に、まずはご自身の性格や現在の置かれた環境を把握することから始めましょう。
自分の性格は毎日コツコツ型なのか、宿題や期限を設定されて強制的に叩き込んでもらった方が良いのか、あるいは時間的、金銭的余裕に関しても人それぞれです。
例えば、一年単位の計画で良いので、なるべくお金をかけずに済ませたい場合は、最低限の過去問だけ準備してあとはインターネットで調べるのが良いでしょう。
一方、毎日が忙しく、とにかく学習効率を最大限に発揮したい場合には、試験対策のエッセンスが詰まった参考書を揃えることが有効です。
さらに通信講座を利用すれば、自分が仕事や家事など別のことをしている間にも、プロの講師があなたの答案を添削して弱点分析のため働いてくれます。
このように、まずは己を知ることが良い教材選びの第一歩となります。
STEP2:相手(出題範囲)を知る
次に試験の出題範囲を把握しましょう。
日本規格協会グループのサイトに各級の出題分野が掲載されているので、キーワードから大まかな範囲を知ることができます。
ただし、どの程度の難易度なのか、キーワードだけでは自分の知識レベルと比較できないので、この後に登場する「勉強の計画」を立てることが困難です。
そこで、すでに受検しようと考えている対象の級が明確な場合は、この段階で過去問を揃えておくことをおススメします。
過去問は問題の傾向を把握して数をこなす上で最も良い教材であり、過去問に一切触れずに試験に挑む人は限りなく少ないと思います。
私の経験からお伝えすると、1級(準1級)は最低3冊(12回分)、2級と3級はそれぞれ最低1冊(6回分)は必要です。
1級(準1級)の必要数が多いのは、出題分野がものすごく広いためです。
1冊(4回分)では、全く出題傾向が読めませんし、1級の難易度の問題を解く作業に慣れることすらできません。
いずれも近所の書店では扱っていないことが多く、特に1級の過去の年度のものは大型書店でも置いていないので、次のようなオンライン書店での購入がおススメです。
過去問をゲットしたらまずはペラペラと眺めて、「単語の意味すらサッパリ」「意味は分かるが解き方が全く分からない」「頑張れば途中までは解けるかも?」といった感触を掴みましょう。
なお、試験に必要な最低限の知識だけでなく、実際に仕事に活用できるレベルまで到達したい方は出題範囲の習得を目標とするのではなく、獲得したい知識レベルを目標に設定しましょう。
STEP3:試験当日までの計画を立てる
現状の自分と目標が明確になったら、その間を結ぶためのスケジュールを計画します。
私の経験で言うと、各級ごとの試験対策に必要な期間は以下のようなイメージです。個人の現状の知識レベルや一日の勉強時間によって変わるので、目安程度にお考えください。
試験勉強は登山と同じようなもので、山頂という目標(知識レベル)に対しての登山ルート(学習方法)を自分で設定します。
例えば、富士山に登ることを考えたとき、持ち物や時間のことも何も計画せず、いきなり一歩目を踏みだす人はまず居ないと思います。
まず、緩やかなルートや険しいルートなど、どのような選択肢があるのか調べ、さらに休憩(中継地点)をどこに設定するか、さらには山頂に到着したい時刻から逆算して、いつ麓を出発すれば良いのか計画するのが一般的と思います。
試験勉強も同じで、目標の期日から逆算して、途中段階の到達点を設定することが重要です。
そして、中継地点を設定すれば、その地点を計画した時間通りに通過するために必要な勉強時間を見積もることができます。
例えば、いま現在から試験当日まで残り4カ月としたとき、大よそ週単位でのステップに分けた目標を立てるとよいでしょう。
いきなり4カ月先の目標を見据えても計画通りに進捗しているのか、最初の段階では分かりづらく、最後の1カ月になって絶望的な現実に直面することになります。
これが1週間~1カ月単位であれば目標との乖離に気づきやすく、つまり軌道修正に柔軟に対応することができるのです。
そして、仮決めした登山ルート(学習方法)と今の自分の実力から、各ステップの目標に到達するには、どの分野をどの程度勉強すれば良いのかイメージが付くと思うので、これをざっくり見積もった結果が必要な勉強時間となります。
仮に、この計画が現実的でないことが分かった場合には、期間を延ばす(次回試験)、勉強時間を増やす、学習効率を上げるなど、何らかの対策が必要となります。
STEP4:効率とお金事情から学習方法を決める
前置きが長くなりましたが、下準備ができたら、いよいよ登山ルート(学習方法)を本決めします。
ここまでに、現状の自分と目標とする知識レベルから、狙いとする学習効率を見積もることができたと思います。
あとは、個人の金銭的事情を踏まえて、お金に余裕のある方は効率の良い複数の選択肢、余裕のない方は効率の良くない限られた選択肢から学習方法を選ぶことになります。
まさに「時は金なり」という諺(ことわざ)がある通り、忙しい社会人にとっては、時短家電や宅配システムのような「お金で時間を買う」ことが選択肢の一つとなるのです。
以降では、学習方法の具体的な選択肢を紹介します。
学習方法の主な選択肢
インターネットで調べる
まず気軽にできるのは、ネットで調べることではないでしょうか。
いまや何か分からない言葉があっても、「○○とは」で検索すると一瞬でたくさんの解説記事を見つけ出すことができます。
このサイトも気軽に情報を収集したい方に向けて発信しており、できる限り詳しく、かつ初心者の方にも分かりやすいように要点を簡潔にまとめることを心がけています。
ただし、ネットで調べる場合、キーワードごとの断片的な検索になりがちで、とある分野の全般的な知識を獲得したい方や、資格取得を目指す方には、網羅性に欠けているかもしれません。
メリット:無料でいつでも調べられる、試験範囲を超えて一つを徹底的に調べられる
デメリット:検索方法に依存するので断片的な情報になる可能性あり、時間がかかる
書籍
ネット検索で全体像を把握できないことに不満をお持ちの方には、書籍で学習することがおススメです。
書籍の場合、出題範囲に特化した内容として章立てて解説されているので、全体像が見えやすいことがメリットです。
どこまでの領域をどんなペースで学習すれば良いのか、ゴールとなる範囲が明確でないと、日々の学習の計画も立てにくくなります。
その点、書籍では必要知識が一冊にまとめられているので、毎日ひとつずつ項目を読み進めていけば、どのくらいの期間で習得できるのか、イメージが付きやすいですね。
また、資格取得に特化した参考書や、品質管理の幅広い基礎知識など、選び方は目的に応じてさまざまです。
私自身も、QC検定に関する参考書を3冊、統計学(検定/実験計画法/回帰分析など)に関する専門書を4冊ほど購入しました。
今回紹介する学習方法の中で、もっともカスタム性の高い選択肢と言えるかもしれません。
メリット:全体像が見えやすい、苦手分野に合わせた書籍を自分で選べる
デメリット:書籍の購入費用がかかる(一冊で数千円程度)
通信講座
ネットや書籍の場合、自分ひとりで学習することになるので、不明点があっても自分で解決しなければなりません。
また、勉強するもしないも自分の気持ち次第なので、意思が弱いと継続できずに中途半端で終わってしまいます。
そういう方には、通信講座がおススメです。
通信講座の場合、定期的なレポートの提出をすることで、計画的な学習を継続することができます。
また、レポートの添削を通じて弱点を把握できたり、質問券を使って不明点を問い合わせたりすることも可能で、自分に合った能動的な学習ができます。
費用は少しかかりますが、短期集中で効率よく学習したい方にとっては、費用対効果が十分に期待できるかもしれません。
メリット:レポートや質問券など、自分に合った能動的な学習ができる
デメリット:受講費用がかかる(数万円程度)
個別指導
誰かのサポートを受けて学習効率を上げる選択肢として、直接誰かに聞く方法が挙げられます。
勉強していて行き詰まるポイントはさまざまですし、土台となる基礎知識や理解力も人それぞれです。
通信講座であれば直接キャッチボールして疑問を投げかけることは可能ですが、リアルタイムでやりとりできないことや、それ以外の自力で学習する方法では自分からの発信ができません。
気になった点はきちんと腹落ちするまで調べたい方や、とにかく効率よく疑問を解決したい方に向けては、個別指導を受けることをおススメします。
例えば、職場でQC検定を取得済みの同僚・先輩に聞くでも良いし、そういう方がいない場合には、後で紹介するようなオンラインのスキルサービスを利用するのも良いです。
他の学習方法と異なるのは、直接聞くことで自分の理解度に合わせて解説を受けられるため、しっかりと定着した知識になり得やすいということです。
メリット:不明点を直接質問して解消できる
デメリット:お互いの時間調整が必要
教材選び あなたはどのタイプ?
いったん、ここまでの話を整理しましょう。
まず、自己分析と目標設定を行い、勉強の計画を立てることを説明しました。
そして次に、学習方法の主な選択肢と、それぞれのメリット・デメリットの特徴を紹介しました。
最後のステップは、いよいよ自分の性格を踏まえた教材選びです。
どのタイプにもっとも当てはまるか、おススメ教材と合わせて見てみてください。
それでは、ひとつずつ詳しく紹介していきます。
ネットで調べるコツコツ派
とにかくお金をかけたくない、あるいはQC検定の試験以外の知識まで幅広く習得したい方は、ネットでコツコツ調べましょう。
後に紹介する書籍や通信講座など、試験対策に特化した教材はもちろん資格取得の学習効率を上げる重要なツールです。
ただ、QC検定取得が最終目的ではなく、実務への活用や社内教育などをお考えの方は、試験問題を解くだけでなく、本質的な知識を獲得することが必要です。
例えば、DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)やQCストーリー、品質機能展開など、試験対策としてはキーワードの暗記で十分ですが、資格向けの教材だけでは不十分なものも多いです。
どのような目的で使い、どんなメリットがあるのか、その背景を理解することが重要で、このサイトでも多くのテーマを扱っています。
キーワードだけではピンとこない方は、ぜひ他の記事も参考にご活用ください。
書籍で手堅く正統派
ネットで地道に調べるよりは効率を上げたいけど、通信講座のように数万円単位での支出はちょっと厳しい・・という方には、参考書を買って堅実に学習することをおススメします。
やはり、QC検定に特化した参考書では出題範囲が網羅され、エッセンスが集約されています。
特に実践編では、JIS規格に関する内容や、普段使い慣れない用語、あるいは使い分けが難しい用語など、資格試験に特有のクセのある内容が出題されます。
これらをネット記事だけで網羅することは難しく、効率的に知識を獲得するには、1冊くらいは参考書を持っておいた方が安心と思います。
ただ個人的には、問題集付きの参考書はあまりおススメしません。
例えば、章ごとに練習問題として理解度を確かめる形式が多いですが、やはり過去問とは問題の構成が異なり、練習問題が解けたからと言って、過去問のトレーニングにはならないからです。
また、コンパクトな参考書も一見シンプルな構成であるため、短期間で学習できそうな雰囲気がありますが、結局のところ細かい解説が割愛されている場合があります。
そのため、私のおススメは、問題を解くトレーニングは過去問を繰り返しこなすことに集中し、参考書は教科書としての役割で出来るだけ内容が充実したものを選ぶことです。
ずばり「教科書」と名の付く参考書、私の知る範囲ではもっとも内容が充実した一冊です。
1級に関しては教科書シリーズがなく、次に内容が充実したおすすめのシリーズは以下の一冊です。
もちろん、2級、3級バージョンもおすすめです。
通信講座で安心・充実派
多少はお小遣いに余裕がある、または会社が費用を一部負担してくれるような場合には、時間効率を優先して通信講座の活用を検討してみてはいかがでしょう。
費用が数万円とかかるものの、テキスト、過去問、レポートなど内容の充実度は申し分なしです。
特にQC検定の通信講座は、JTEX(職業訓練法人日本技能教育開発センター)がおすすめです。
JTEXはとにかく技術系の講座が豊富で、約200の講座が開講されています。
もちろん実績も50年以上と経験豊富で、利用企業は6000社以上にのぼり、東京都知事の認可を受けた職業訓練法人です。
教材到着後、未開封で8日以内ならクーリングオフの制度もあるので、もし希望に叶わない場合でも安心できますね。
講座名 | 価格(税込) | 難易度 | 教材 |
現場で役立つ QC検定3級 受験準備コース(過去問題集付き) | 22,000円 | 中級 | テキスト2冊 過去問6回 レポート3回 |
現場で役立つ QC検定2級 受験準備コース(過去問題集付き) | 26,400円 | 中級~上級 | テキスト4冊 過去問6回 レポート4回 |
現場で役立つ QC検定2級 受験準備コース(過去問題集・統計解析ソフト付き) | 28,600円 | 中級~上級 |
テキスト4冊 |
3級はテキスト2冊、レポート3回の教材構成です。
それほど出題範囲が広くない中でのテキスト2冊分は、品質管理の基本から学習する上で充実した内容と言えるでしょう。
2級はテキスト4冊、レポート4回のさらに充実した構成です。
3級と比べて出題範囲がかなり広くなりますが、その分の解説も充実しており、複雑な手法編の計算もばっちりです。
また、統計解析ソフト付きのプランでは、エクセルで活用できる解析ツールが付属しており、業務で統計処理を活用する上でも有益です。
なお、3級、2級とも過去問が付いているので、まさにコレ一つで受検に必要な教材が全て揃っていると言える充実度です。
あれこれ教材選びに悩んでネットで調べたり、書店に足を運んだりする時間を考えると、投資効果として十分に期待できるのではないかと思います。
ただ残念ながら、私が調べた限りでは、1級と準1級に関しては通信講座がありません。
受検者が少ないので需要も低い影響と思いますが、1級の試験問題は過去問の解説を読んだだけでは理解できないことも多く、また記述については過去問に解答例もなく完全に独学しかありません。
一人での学習に行き詰まってお困りの方は、以下に記載する個別指導で疑問・質問、記述の対策指導など承るサービスを準備中ですので、ぜひご検討ください。
個別指導で悩みスッキリ派
最後に、すでに弱点分野が明確な方、わからないことは放っておけない方に向けては、個別指導で直接解決することをおススメします。
私の経験談ですが、過去問の解説や参考書を読んでいて理解しきれないところは、自分で調べて情報の穴埋めをするのに相当な時間がかかります。
というのも、その疑問点をピンポイントで解説しているネット記事などなく、色々な記事を調べまくって、断片的な情報を組み合わせて理解しなければならないからです。
私自身、ひとつの問題の解き方を調べるために、丸一日を費やしたこともありました。
疑問点が明確でも、欲しい情報がすぐに得られず、試験まで時間がない中で悶々と色んなサイトを調べるのは、大変ストレスに感じることと思います。
このような方に向けては、オンラインのスキルサービスなどを利用して、わからない点を直接質問して解消することが有効です。
現在、当サイトでもスキルサービスの開設に向けて準備中ですので、いましばらくお待ちください。
ご要望が多ければ準備を加速しますので、お問い合わせフォームやコメント欄からご連絡いただけますと助かります。
こてつ経験談
仕事と試験勉強を両立する生活での4カ月はあっという間です。
ふと他の予定が入ったり、頭が思うように回らなかったり、体調を崩したり、せっかく計画を立ててスタートしてもペースを乱す要因がたくさん生じます。
完璧に計画通りに進むことはまず期待しない方が賢明で、むしろ計画外のことが生じても全体像さえ見失わなければ、後で挽回することも十分に可能です。
すなわち、いつまでに何をやるべきか、到達(獲得)すべき知識の全貌が手元に見える状態にあるのとないのとでは雲泥の差となります。
常にゴールを見据えて、日々の短い時間の学習でも着実にレベルアップできるよう、試験対策の入り口となる教材は抜かりのないように選びたいものですね。
それでは、皆さまのご健闘をお祈りしております。
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