新QC7つ道具とは? 目的と活用例の要点をまとめて解説

新QC 7つ道具

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「新QC7つ道具は、何の目的で使うのか?」
「7つには、どんな手法があるのか?」
「品質管理のどんな場面で使うのか?」

このような疑問をお持ちの方に向けた記事です。10分で理解できるよう、わかりやすく簡潔に解説します。

新QC7つ道具の要点をまとめていますので、この記事を最後まで読んでいただければ、問題解決のどのような場面で、どの手法を使うのが有効なのか、イメージを持っていただきやすくなると思います。

それぞれの手法の詳細については、個別記事で紹介していますので、合わせて参考にしていただければと思います。

また、QC7つ道具についても、別の記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。

新QC7つ道具とは?

QC七つ道具が定量的な現象分析を狙うのに対し、新QC七つ道具は定性的な分析を狙う。問題の構造を早期に明らかにするのが目的である。

引用元:Wikipedia

製造現場で取り扱う品質管理(Quality Control:QC)のデータには、数値データなどの定量的な指標と、言語データなどの定性的な指標があります。

QC7つ道具では、主に数値データを取り扱い、データ収集・集計・解析と進めて、課題解決のための対応策を検討し、次のアクションにつなげていきます。

一方、新QC7つ道具は、主に言語データを扱う手法で、図や表、フローチャートに表すことで、問題点をわかりやすく整理し、課題の早期解決につなげることを目的として生み出されました。

実際のモノづくりの現場では、数値化したデータ収集がむずかしい場合や、課題抽出そのものができていない漠然とした状況になる場面もあると思います。

このような状況で、問題点の発見から対応策の優先順位付けまで、改善活動の方針を決めるためのツールとして効果を発揮します。

主に以下の目的で使用されます。

  • 課題の明確化、方針策定、情報共有
  • 因果関係、影響要因の分析
  • 工程計画、工程分析

7つ道具の手法を解説

親和図法

似た性質の言語データを結び付けて図示化したもので、不明確な課題に対する解決策を導き出すための「ボトムアップ型」の思考法を用いた手法です。

新たな課題や弱点を明確にして、これから重点的に取り組むべきテーマを明確にすることができます。

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連関図法

原因と結果の関係が複雑に絡み合った状況で、関係性を図示して、主要因を絞り込む手法です。

特性要因図と比べて、要因どうしの関係性も表すことができるため、要因の関係性が複雑な場合に使うと効果的です。

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系統図法

目的と手段を樹形図のような形式で整理した図で、目標を達成するための方策を整理する「トップダウン型」の思考法を用いた手法です。

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マトリックス図法

行と列の交点に関連の度合いを記号や数値で示して点数化し、優先順位を付ける手法です。

行には問題点や選択肢の候補など、列には原因や評価指標などの項目を取ります。

系統図で抽出した手段の優先順位を付けることにも有効で、この場合は系統マトリックス図法と呼ばれます。

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アローダイアグラム法

作業と日程の関係をフローチャートにして、日程計画や方針検討を図る手法です。

工程が複雑な大規模のプロジェクト管理に有効で、リティカル・パスを見つけて、重点的に管理する工程を把握することができます。

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PDPC法

過程決定計画図とも呼ばれ、目標達成までに不測の事態が生じることを想定して、あらかじめ対応策をフローチャートにして計画する手法です。

迅速に適切に対応することで、問題の早期解決を図ることができます。

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マトリックスデータ解析法

唯一、数値データを扱う手法です。

変数が多くグラフ化が困難なデータを扱う際に、できるだけ元の情報を残しつつ、要素を縮約して二次元の平面図に表す手法で、主成分分析とも呼ばれています。

関連性の高い変数をまとめて一つの主成分に表すことで、分かりやすくデータを整理できることに加え、工程分析のキーワードとして、今後の改善活動の指標にすることができます。

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どのような場面で使う?

品質管理の問題解決にあたっては、QCストーリーに沿って進めることがよいとされます。

テーマ選定から標準化まで8つに分かれており、その各ステップで新QC7つ道具が活躍します。

例えば、親和図法、連関図法、系統図法は、現状把握や目標設定など上流のステップで活躍します。

また、アローダイアグラム法やPDPC法は、対策立案や対策実施など、実際に計画して実行に移す段階で効果を発揮します。

このように、それぞれの特色を活かして、問題解決を効率的に進めていきましょう。

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こてつ経験談

覚え方を知りたい?

ときどき、後輩たちが課題解決に行き詰っているのを見て、QC手法を紹介することがあります。

その時、たまに聞かれるのが、「名前が難しくて覚えられないから、何か良い覚え方はないですか?」という質問です。

確かに、新QC7つ道具の手法は、普段聞きなじみのないものも多く、名前を見ただけでハードルが高そうで尻込みする雰囲気は良くわかります。

私自身も、初めて手法の存在を知ったとき、名前の難しさから敬遠して、しばらく見向きもせず、頭からすっかり消え去ることになりました・・。

習うより慣れろ

その後の私の経験を踏まえてお伝えしたいのが、名前の暗記に労力を使わず、とにかく一度自分で実践してほしい、ということです。

手法の暗記がゴールではなく、実際の課題を解決してナンボです。

どういう時にどの手法を使うのか、参考例を頭に入れておくと効率的に進められますが、重要なのは自分の頭で具体的な進め方のイメージを作ることです。

それぞれが抱える課題は個々に異なるので、自分のテーマに当てはめて、何をどんな風に整理したら次に進めるかをしっかりと意識しましょう。

すると、各手法の目的・用途・メリットと対応付けて、自分のテーマへの取り込み方が見えてくると思うので、あとは内容をアレンジして具体的な計画に落とし込みます。

そこまで出来れば、嫌でも手法の名前は頭に入っているはずです。

とにかく、教科書的な丸暗記をせずに、「あくまで問題解決が目的」、「自分のテーマに上手くQC手法を取り込むこと」、質問にくる後輩たちに、この2つを伝えています。

覚えることに一生懸命になっている方は、自分たちの課題は何か、どうやって現状を打開して次に進むか、を見つめ直しても良いかもしれません。

まとめ

実際のモノづくりの現場では、課題抽出そのものができていない漠然とした状況に陥ることもあると思います。

新QC7つ道具は、テーマ選定から課題解決まで一連の流れで活用できる強力なツールです。

定量的な解析に有効なQC7つ道具と併用することで、より客観的な判断ができるので、ぜひ職場の課題を題材に実践してみてください。

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この記事を書いた人

【経歴】
関東在住、40代、製造業(品質部門)。
これまで、研究開発、設計、生産技術、仕入先の品質管理を手掛ける。

【保有知識・技術分野】
統計学、信頼性工学、品質工学。
半導体、基板、有機材料、金属、セラミックスの材料、製造、加工技術。
部品加工(機械加工、化学処理)、組立・実装技術、分析・物理解析技術。
QC検定1級保有。

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品質・生産の基礎知識をテーマに、用語の解説、使い方(作り方)、メリット、考え方のポイントを分かりやすく解説しています。
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